がけ地等を有する宅地
宅地の中に傾斜している部分があって、何かしら手を加えないと普通に使えない場合は平坦な土地に比べて利用価値が劣るので減価します。
典型的な例は山の傾斜に階段状に開発され戸建住宅が建っている土地ですが、それ以外の場合ももちろん適用対象ですのであまり固定イメージを持たないようにした方がいいかもしれません。
こういった土地の評価については、財産評価基本通達では20-5に以下のように規定されています。
20-5
(がけ地等を有する宅地の評価)
がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等ががけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総地積に対するがけ地部分等通常の用途に供することができないと認められる部分の地積の割合に応じて付表8「がけ地補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する。
がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等ががけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総地積に対するがけ地部分等通常の用途に供することができないと認められる部分の地積の割合に応じて付表8「がけ地補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する。
がけ地補正率が使えるがけ地は「宅地」
この規定が適用されるのは「宅地」の中にがけがある場合ということです。
つまり課税時期の地目が「宅地」である土地に適用され、雑種地や山林、農地等には適用されないということです。まずはこの点を明確に理解しておきましょう。
したがって評価単位を地目ごとに分けるとき、がけとなっている斜面部分が宅地の一部なのか、雑種地なのか、山林なのかを判定しなければなりません。
宅地の一部と判断されれば、がけ地補正率を使います。
斜面部分が山林や雑種地と判断されれば、評価単位を宅地部分と切り分け、単独で山林や雑種地で評価(宅地比準)するということになります。この宅地比準方式で評価する場合は造成費を控除するということになります。
したがって、がけ地補正率と造成費控除は重複適用できない、ということになります。
がけ地が一方向だけでなく複数方向にある場合
がけ地のある宅地の評価にあたってはがけ地補正率表を使いますが、がけが複数方向にある場合の補正率は按分計算します。
【例】
がけ地の方位:北から西にかけて
がけ地<北>の面積が全体地の15%、がけ地<西>の面積が全体地の15%
傾斜の向いている方向の補正率をピックアップします
北向き・地積割合0.10以上の欄の0.93、西向き・地積割合0.10以上の欄の0.94
を加重平均します。
0.93×1/2 + 0.94×1/2 = 0.935→ 0.93(小数点以下2位未満切り捨て)
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